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令和6年度診療報酬改定による変更点と留意点について

令和6年6月1日から、厚生労働省の診療報酬に関して変更点がありましたので、当方で関係するものを列挙して説明させていただきます。

生活習慣病の中でも特に高血圧症、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)を重点的に指導するよう要請がありました。これらの疾患は、おおむねはじめは自覚症状がなく、進行すると動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞、慢性腎臓病、脂肪肝からの肝硬変へなど、と気づかぬうちに病状が一気に、そして悪化する傾向があります。長期的に合併症が出現することを防ぐために、これまでの特定疾患として管理していた枠組みから一段上げ、生活習慣病として厳重に管理指導せよ、とのことです。
これからは、主治医と患者が共有する生活習慣療養計画書が必要になり、書面に双方の署名が必要となりました。療養計画書の同意と署名(初回のみ)にご協力ください。
病態が安定している高血圧、糖尿病、脂質異常(高脂血症)の患者さんには、28日を超える長期処方(当院では最大2か月)やリフィル処方箋(当院ではリフィルは原則2回のみ、1回の処方は1か月とします)の対応をします。

また厚労省は、医療DXを推進するよう、マイナ保険証の利用(当クリニックでは半数の方が利用されています)を推奨しています。
医療機関においては、それによるオンライン資格確認の義務化、電子機器を用いマイナンバーカードの情報の閲覧、さらに電子処方箋への普及、患者情報を医療機関間で共有(電子カルテ情報共有サービス)などの体制整備中です。
当クリニックでは、マイナンバー保険証から、診療予約・受付管理、電子カルテ、内視鏡機器、超音波診断装置、内視鏡ファイリング、PACS・DICOMまで、全てのシステムをシームレスに連携することが可能にしています。
そして医療DX推進の体制を進めていきながら、質の高い、安全・安心な診療を目指していきます。以後、電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスともに随時導入するよう準備しております。(電子処方箋は令和7年3月より稼働)

電子処方箋って何かな?という方は、下のYouTube動画を見てみて下さい。
https://youtu.be/rrjDGiCCdlo?si=70kUAmwLFEPe1VYT

よりよい質の高い地域医療をおこなうために、まずは皆さま、マイナ保険証の利用をお願いいたします。

最後に、様々な改定がなされる中「ベースアップ評価料」という算定項目が新たに導入されました。これは診療所、特に内科領域で診療報酬が総じて減らされる中で、特に看護師などの国家資格を持った業種の待遇維持を目的としたものと考えております。
日常診療において、保険診療内での医療サービスを維持できるよう、そしてより良い医療を提供するために診療点数に加点するものと考えていただければと思います。
当クリニックでは、医療スタッフのベースアップによりモチベーション向上を図り、安心して医療を受けていただける環境を整えます。

池原クリニック 

院長 池原 伸直


【不活化帯状疱疹ワクチン(シングリクス)】について

帯状疱疹って知っていますか?聞いたことがありますか?

最近テレビなどで取り上げられることが多くなりました。
診察中に、帯状疱疹ワクチンについて聞かれることが多いので、参考にしていただければと思います。

帯状疱疹の原因ウイルスは、水痘帯状疱疹ウイルスです。
このウイルスは、年少期に水痘(水ぼうそう)として発症し、治癒した後も知覚神経節に潜伏します。
帯状疱疹とは、知覚神経節に潜伏していたウイルスが再び活性化し発症するものであり、典型的な症状として疼痛を伴う皮疹が出現します。
加齢免疫低下などにより、帯状疱疹の発症しやすくなります。

日本では、50歳以上の人は体内に抗体を保有しています(既にウイルスに感染していると考えられています)。
よって帯状疱疹を発症する可能性があり、80歳までに3人に1人が帯状疱疹になると報告されています。
日本では、50歳代から発症率は増加し、70から79歳で最も高くなることが報告されています。

帯状疱疹は合併症を起こし、最も多い合併症は帯状疱疹後の神経痛です。
その神経痛症状は極めて激烈で、負担はとても大きいです。
そのほかにも様々な後遺症をきたす症状が報告されております。
高齢化が加速するわが国においては、帯状疱疹の予防はとても重要です。

発症予防には、ワクチン(特に不活化ワクチン:以下のシングリックス)が有効なんです。

今回、当クリニックで導入するシングリックス(帯状疱疹ワクチン:乾燥組換え帯状疱疹ワクチン)は、水痘帯状疱疹ウイルスに対する免疫を既に持ち、帯状疱疹を発症するリスクが高い人において、非常に有効的に働くように開発されております。
既存の生ワクチンをはるかに超える効果が報告されております。
またシングリックスは、50歳以上の帯状疱疹に対する安全性も評価されました。
現在まで、カナダ、米国、欧州、オーストラリア、中国で承認されております。
日本は、2018年3月に「帯状疱疹の予防」を効能・効果として製造販売の承認がされてます。

当初は、深く認識されておりませんでしたが、いまでは新聞・テレビ・SNSなどで情報が広がり、現在ようやく接種が広がりつつあります。
このワクチンは、50歳以上が接種できる注射となっております。
帯状疱疹発症の予防という観点から、現在は自費の扱い(昨年より兵庫県は一部助成があります)となります。
ご興味のある方は説明いたしますので、診察室で気軽にご相談ください。


短期滞在手術等基本料1の施設基準取得について

【短期滞在手術等基本料1の施設基準取得についてのお知らせ】

短期滞在手術等基本料1とは、大腸ポリープ切除術などの日帰り手術に関して、人員の十分な配置、医療設備の充実、緊急時対応時に当該保険医療機関と密接に提携など、適正な施設基準を満たしている医療機関に認定されるもので、わたくしどもは令和6年6月1日に地方厚生局に提出・受理されております。

引き続き安全な治療を行うために、夏期休暇後の令和6年8月16日から、日帰り大腸内視鏡手術(内視鏡的大腸ポリープ切除術)に対し適用いたします。 

尚、これは内視鏡手術に適用されるもので、内視鏡検査(生検検査など含む)のみの場合は関係ありません。

先代より長年培ってきたノウハウに基づき、痛みの無い内視鏡検査そして精度の高い内視鏡診断を常に追求して提供していきます。これからも、安全で安心してもらえる内視鏡治療を、スタッフ全員で提供させていただきます。

池原クリニック
院長 池原 伸直